2015-06-06 update
木製の金管楽器はなぁ~んだ?‐コラム2
フルートやサックスは金属でできているのに木管楽器なんですよね。
フルートは昔は木だったと言っても、サックスは最初から金属製でした。
う~ん、なんかシックリこないゾ。
そんな人もいるのではないでしょうか?
実は「木管楽器」と「金管楽器」の線引きは材質でなされるのではないのです。
よく聞くのは
サックスはリードが木(葦)だから木管。
フルートは昔は木だったから木管。
というおはなし。
まちがいではないと思います。
ではここで問題です。
木材でできた金管楽器はあると思いますか?
あるとしたらどんな楽器でしょうか?
さらに意地悪な問題。
陶器でできたオカリナはどっちでしょう?
動物の角笛はどっちでしょう?
もう何がなんだかわかりませんよね。
いったい何をもって木管・金管とするのか?
今回はそんな「楽器の分類」のおハナシ。
まずは金管楽器から見ていきましょう。
“金属でできた管楽器”はハズレです。
正解は“唇を振動させて音を出す管楽器”。
唇をぶーっ!とやって音を出すものですね。
この唇ぶーっ!をリップリードと呼びます。
では木でできた金管楽器はというと、スイスのアルプホルンがそうなんです。
あのなが~いやつですネ。
アルプホルン(Wikipediaより)
他には、少しマイナーですがツィンクという角笛の子孫も木製の金管楽器です。
ほかにはアボリジニの民族楽器ディジュリドゥなんてモノもあります。
角笛もリップリードなので金管楽器です。
すべて唇ぶーっ!で音を出します。
これが金管楽器です。
では「木管楽器」の定義は何でしょうか?
ポイントは、やはり振動のもとが何かです。
サックスやクラリネットは葦(アシ)でできた薄い板(リード)を振動させます。
リード1枚を使うシングルリードです。
2枚使うダブルリードもあります。
フルートは息の流れによって生まれる空気の渦、エアリード。
オカリナもこのエアリードによる音なので、木管楽器に分類されるんですよ。
こうした葦や空気のリードによる楽器が木管楽器に分類されるのです。
こうなるともう「木管」や「金管」という呼び方に疑問を持ちますよね。
ちなみに、ウィキペディアさんの木管楽器の定義は衝撃です。
“木管楽器とは金管楽器以外の管楽器”
「金管以外」って、何てざっくりな。(笑)
でも確かに、的確な表現だと思いませんか?
今回は、なかなか一筋縄にはいかない、楽器の分類についてのおハナシでした。
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