2015-09-03 update
楽語はどうしてイタリア語なの?コラム31
日本語だったら楽なのに。。音楽用語がイタリア語ばかりになった経緯をご存知ですか?
フォルテ、ピアノ、クレッシェンド、カンタービレ。
音楽用語は基本的にイタリア語ですよね。
どうしてイタリア語ばかりなんでしょうか?
今回はそんな楽語にまつわるお話をご紹介。
西洋音楽の長~い歴史の中で、
イタリア語が楽語の主流になっていった理由には、
いくつかの要素が絡みあっています。
【理由1:記譜法定着のタイミング】
そもそも、楽譜というもの、
つまり音楽自体や演奏の指示を書き残す方法“記譜法”が
現在の五線という形に定着したのが17世紀のイタリアでした。
【理由2:西洋音楽は教会で発展した】
西洋音楽が確立されていった中世~ルネサンス期、
音楽は主に教会で発展しました。
当然、各地で活躍した作曲家や演奏家の多くは
教会関係の音楽家やその出身者が多かったのです。
そしてトップの教皇庁がローマにあった為、
教会関係ではイタリア語が主流でした。
【理由3:当時はイタリアが音楽の中心地】
そして当時、イタリアは
ヨーロッパの音楽の中心地でもありました。
イタリア出身の優れた作曲家や演奏家が、
各国の教会や貴族のもとで活躍し、
最先端のイタリアの音楽が、
イタリアの記譜法と共に広がったのです。
こうしてイタリア語が楽語の標準になっていったのですね。
それにしても、イタリア語の楽語を日本人が聞くと、
何となくとっつきにくいですよね。
でも現地の人たちにとっては
日常的な言葉なんだそうですよ(当たり前か)。
「ここは強く弾く、弱く弾く、歌うように弾く」
という具合に、簡潔で分かりやすくて良かったのだとか。
う~ん、母国語でないといまいちピンときませんよね。
もちろん自国の言葉で表現した作曲家もたくさんいるんです。
ドビュッシーやラヴェルはフランス語、
マーラーなんかはドイツ語で細かい指示が書かれています。
となると、日本語が標準になったらいいのにな~なんて
ついつい期待したくなります。
でもイタリア語の楽語を知っていると
意外と旅行で役に立つそうですよ。
フォルテもピアノもちゃんと伝わるのだとか。
イタリア旅行の際はぜひ試してみましょう!
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