2015-06-09 update
ドレミのドは何のド?‐コラム3
ドレミの音名。実はホントにドレミの歌みたいに名付けられたんですヨ。
ド~はドーナツ~の~ド~♪
音楽の各音にはドレミファソラシと名前が付いていますよね。
この「各音に名前をつけて歌う」という事を最初に考案した人をご存知ですか?
つまり、ドレミの名付け親です。
実は本当にドレミの歌のようにドは●●のド、レは▲▲のレと決まったんです。
ではドは何のドだったのでしょうか?
本当にドーナツのドだったのでしょうか?
ずばり、ドレミの発案者の名はグイード・ダレッツォ(ギドー・ダレッツォ)。
11世紀のイタリアで活躍した修道士さんで、聖歌隊を指導していました。
グイード・ダレッツォ(Wikipediaより)
実は、この当時はまだ音楽を書き残す方法が発明されていなかったんですよ。
つまり楽譜がなかったのです。
もちろんCDもラジオもありません。
どうやって歌を覚えたのでしょうか?
そう、聞いて覚えるしかありませんでした。
もう考えるだけでも大変ですよね。
実際なかなか苦労していたようなんです。
そこでこのグイード先生、なんとかならないかと頭をひねります。
そしてある日、聖ヨハネ賛歌という曲の、ある点に気付きました。
この曲の歌詞は次の7つの節から成ります。
Ut queant laxis
Resonare fibris
Mira gestorum
Famuli tuorum
Solve polluti
Labii reatum
Sancte Johannes
お気づきですか?
2~6番目の歌詞の出だしが
レ・ミ・ファ・ソ・ラとなっていますね。
注目したのは第1節~第6節までの各メロディーの出だしの音。
まるでドレミの歌のように1音ずつ上がっていくメロディーだったのです。
この点に気づいたグイード先生。
それぞれの歌詞と出だしの音を結びつけて名前をつけました。
下から順番に、ウト・レ・ミ・ファ・ソ・ラと呼ぶ事にしたのです。
ドレミの歌とまったく同じです。
でもドとシがありませんね。
まず、ウトは言いずらかったようで、後にドになりました。
次に7番目の音はどうしてシになったか。
歌詞のSancte Johannesの2つの単語の頭文字からとったのです。
SJのJ=jをiの異体字とみなしてシ(Si)となったのでした。
こうして「ドレミファソラシ」という音名は付けられていったのです。
さて、最後のギモンがのこります。
ドはウトから変更されたといいました。
では、ドは何のドだったのでしょうか?
答えは“Dominus(ドミヌス)”のドです。
ドミヌスの意味は「主」。
つまりイエス・キリストです。
音階の中で、ドの音はその調の中心となるもっとも大切な音です。
もっとも中心的な音なので「主」を意味するDominusが採用されたのでしょう。
ドレミのドは主音ともいいますからね。
ということで、ドレミのドは
×ドーナツのド
○ドミヌスのド
これが正解です。
今日から自慢してください。
ところで、発案者の方はイタリア人のグイード・ダレッツォさんといいました。
つづりはGuido d'Arezzoと書きます。
イタリアの中部には、今もアレッツォという都市があるのをご存知ですか?
Guido d'Arezzoの名前は「アレッツォ村のグイードさん」という意味なんです。
「世田谷の田中さん」みたいなかんじです。
昔は地名と名前がセットだったんですね。
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