2015-09-21 update
ピアノの3本のペダル。役割の違いをご存知ですか?‐コラム37
意外と踏んでもらえないペダルたち。全部の役割ってご存知ですか?
今回の主役はピアノのペダルくん。
グランドピアノにもアップライトピアノにも
それぞれ3本のペダルがついています。
アレ、全部踏んでみたことありますか?
普段使うペダルって限られていて
他のペダルの働きって、意外と知られてないんじゃないでしょうか。
「あ~そういえば、踏んだらどうなるの?」
存在すら忘れられているペダルくん。
今回はそんな彼らの役割を一挙にご紹介!
■右側のペダル:ラウドペダル
フォルテペダル、ダンパーペダル、サスティニングペダルとも呼ばれます。
一番よく使うペダルですね。
音がのびるやつです。
このペダルを踏むとピアノの中では、
ダンパーという、ピアノ弦の響きを止めている部品が弦から離れます。
弾いた弦の音だけではなく、
弾いていない弦の共鳴音も加わることで
あの広がるような豊かな響きが鳴るのです。
■左側のペダル:ソフトペダル
ラウドペダルの反対で、響きを弱める機能があります。
これもまぁ、なんとなくは知ってる方も多いかもしれませんね。
このペダルは、グランドとアップライトとで
中の仕組みがちょっと違います。
グランドピアノのソフトペダルを踏むと、
鍵盤ごとハンマーアクションが右に少しずれる作りになっています。
88鍵全部が一気にガバッとずれます。
ずれるのでシフトペダルとも呼ばれます。
ハンマーがずれるとどうなるのでしょうか?
実はピアノは、1つの音を3本の弦で鳴らしているのです(低音は2本)。
ハンマーの位置がずれると、
3本のところは2本、
2本のところは1本と
叩く弦の数が減る仕組みになっているのです。
だから音量が小さくなるんですね。
音色も微妙に変化します。
一方アップライトピアノはというと
こちらはハンマーの位置を弦に近付ける事で
ハンマーの弦への当たりを弱めています。
■真ん中のペダル:
まん中はグランドピアノとアップライトピアノで働きが異なります。
1.グランドピアノ:ソステヌートペダル
かわいそうなのはこのペダルくん。
めったに使ってもらえません。
「あれさぁ~、試しに踏んでも何もかわらないじゃん。何なのアレ?」
そんな声さえ聞こえてきそうです。
このペダルくんはかなりの変わり者で、
ダンパーペダルやソフトペダルのように
分かりやすくないのです。
このペダルが効くのは
「踏んだ時点で鍵盤を押していた音」だけ。
踏んだ後に弾いても何も変わらないのです。
このペダルを踏んだ時に押していた鍵のダンパーだけが弦に降りなくなり、
このペダルを踏んでいる間は、
鍵から指を離しても音が止まらずに伸びる機能があります。
趣味のお稽古でピアノを楽しむ範囲では、
なかなか活用する機会はないかもしれません。
2.アップライトピアノ:マフラーペダル
ハンマーと弦の間にフェルトが入る事で
音量がとても小さくなります。
踏んだ後に右か左にペダルをずらす事で固定し、
踏みっぱなしの状態にする事もできます。
騒音の問題等で大きな音で練習できない場合に使用します。
【昔はもっとたくさんあった!?】
ピアノの歴史の中では4つも5つもペダルがあるものや、
オルガンのようなヴィブラートをかけられるもの等、
様々なペダルも試みられましたが、今は見られません。
ピアノもいろいろな試行錯誤が積み重なって発展してきましたが、
ペダル1つとっても様々な歴史があったのですね。
踏んだことのないペダルがある方。
この機会にぜひ1度踏んでみて下さいね♪
関連記事
【ソナタとソナチネの違いはなんだろう?】
名前は似てるけど、どう違うのでしょうか?
【ピアノの鍵盤は当初白黒が逆だった!】
白鍵が黒で、黒鍵が白かった時代があります。色の変遷に隠されたエピソードとは?
【猫のためのピアノ協奏曲がある!?】
衝撃!猫によるピアノソロとオーケストラの奇跡の共演とは!?
【バッハはピアノ曲を1曲も書いていない】
コレ本当です。生涯に1曲たりとも書いてません。どういうことだと思いますか?
【ピアノの当初の名前が長すぎる件】
ピアノの発明にまつわる長すぎる名前が判明。長いのには理由があったのです。
子供も大人も
品川のピアノ教室は
スガナミミュージックサロン!