2015-08-27 update
ピアノの当初の名前が長すぎる件‐コラム29
ピアノの発明にまつわる長すぎる名前が判明。長い名前には理由がありました。
「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」
これが現在ピアノと呼ばれる楽器のデビュー当初の名前。
長すぎです。
覚えられません。
この長ったらしい名前は
“フォルテもピアノも出せるチェンバロ”
とう意味なんですです。
なぜこんなに長い名前なのでしょうか?
何か特別なチェンバロという感じですよね。
ピアノじゃないの?って思います。
実は、ピアノは当初チェンバロを改良して考案された楽器だったのです。
名前でわざわざ
“フォルテもピアノも出せる”
と謳っているのは、
普通のチェンバロは強弱の変化が付けられなかったからなんですね。
チェンバロは鍵盤と連動したツメで弦をひっかくという発音構造でした。
このため、タッチをいくら変えても同じ音量でしか演奏ができなかったのです。
これをハンマーで弦を叩く発音機構に改良する事で、
音量を変化させられるチェンバロが発明されました。
これがピアノの始まりです。
発明者はイタリアのチェンバロ職人の
バルトロメオ・クリストフォリさん。
Bartolomeo Cristofori(1655-1731)
クリストフォリが最初のピアノを作ったのは1709年の事でした。
しかしこの名前はさすがに長すぎたようで
「ピアノ・エ・フォルテ」
「ピアノフォルテ」を経て、
ようやく「ピアノ」に落ち着いたのだそうです。
ピアノの“ピアノ”は強弱の“ピアノ”の事だったんですね。
短くなってくれて本当に良かったです。
関連記事
【ピアノの3本のペダルってどう違うの?】
意外と踏んでもらえないペダルたち。全部の役割ってご存知ですか?
【ピアノの鍵盤は当初白黒が逆だった!】
白鍵が黒で、黒鍵が白かった時代があります。色の変遷に隠されたエピソードとは?
【バッハはピアノ曲を1曲も書いていない】
コレ本当です。生涯に1曲たりとも書いてません。どういうことだと思いますか?
【猫のためのピアノ協奏曲がある】
衝撃!猫によるピアノソロとオーケストラの奇跡の共演とは!?
【ハノンの本当の発音はアノン】
意外と知られていない「HANON」の本当の読み方。
クラシックはもちろん
ジャズも!ポピュラーも!
スガナミは選べるピアノレッスン♪