管楽器コラムWindColumn
サックスのお手入れと保管方法
サックスはクラシック、ジャズ、ポップスなど、幅広いジャンルの曲にマッチした多彩な音色を奏でることができる楽器です。その性能を存分に発揮させるためにも、楽器のコンディションは非常に重要です。良い状態を長くキープさせるためにも日頃からしっかりとしたお手入れをしましょう。
練習中などに気をつけるべきこと
サックスは演奏中に、内部に水分が溜まってしまいます。特に冬場などは、ベルの底に水分が溜まってしまう場合もあります。休憩時間などに楽器を寝かせて置く時などは、底にたまった水が逆流してタンポが水浸しにならないように、ベルから水を抜いた後に寝かせるようにしましょう。
サックスのお手入れ方法
サックスのお手入れは、楽器から水分を取り除く作業が中心となります。これは真鍮でできた管体やキイをサビから守ることよりも、皮製であるタンポのコンディションを良い状態で維持することが主な目的になります。 下の内容を参考にして、演奏した後に毎回お手入れしてください。
演奏後のお手入れ
サックスのタンポは、紙とフェルトで出来た土台を皮で包んで仕上げてあります。皮がなめらかであれば、タンポとトーンホールの密着性が良く楽器自体の反応や表現力が充分に発揮できます。しかし、水分が染みこんでしまったり過度に乾燥してしまうと皮からしなやかさが失われてしまい、楽器が本来持っている性能が充分に発揮できなくなってしまいます。 サックスの心臓部と言えるタンポを水分から守るために、演奏後のお手入れをきちっとしましょう。
演奏が終わったら、まずマウスピースやネックなどを分解しましょう。 次に、ネックと本体にスワブを通します。必ず太い方から細い方に向けて通してください。 万が一スワブが途中で抜けなくなった場合は、無理に引き抜こうとせずに入れた方から引っ張りだしてみてください。それでも出てこない場合は、楽器店へ持って行ってください。
タンポに付着してしまった水分は、クリーニングペーパーを使って取り除きます。クリーニングペーパーをタンポとトーンホールとの間に挟み、キイを数回押さえて水分を取り除きます。2~3回、ペーパーを当てる場所を変えながら取り除くと良いでしょう。
最後に、サックスの表面についた指紋などの汚れを拭き取りましょう。 楽器の表面は傷つきやすいので、専用のクロスを使って丁寧に拭きあげましょう。
気をつけておきたいこと
上記のお手入れで必要な物以外のお手入れ用品を、楽器店などで見かけることがあると思います。世の中にたくさんあるお手入れ用品は、正しく使えればとても役に立つ物ばかりですが、使い所を間違えると楽器を傷めてしまう物もあります。 ご購入の際には楽器店の店員さんによく相談して、正しい使い方などをアドバイスしてもらいましょう。
サックスの保管方法
サックスを保管するときには、専用のケースに収納します。本体には必ずキャップ(エンドプラグ)を付けてしまいましょう。ケース内の湿度を一定に保つシートなどもありますから、こうした物を活用するとより安心して保管ができます。