管楽器コラムWindColumn
トランペットのお手入れと保管方法
トランペットで快適な演奏をするためには、しっかりとお手入れすることや、正しい方法で保管することが大切です。しかしながら、細かいパーツもたくさんあるトランペットは、どうやってメンテナンスしたら良いのかわからない、という方もいるかもしれません。そこで今回は、基本的なトランペットのお手入れ方法についてご紹介します。
トランペットのお手入れ方法
トランペットのお手入れには大きく分けて「演奏前のお手入れ」、「演奏後のお手入れ」、「定期的なお手入れ」の3つがあります。下記を参考に、トランペットのお手入れをするようにしましょう。
1.演奏前のお手入れ
トランペットのピストンは、隙間から空気が漏れないように非常に精密に出来ています。ちょっとした汚れや傷などの影響で動きにむらが出てしまい、演奏が困難になってしまいます。演奏前には必ずバルブオイルを注して、ピストンのスムーズな動きが長持ちするようにしましょう。 バルブケーシングの笠ネジを外したら、ピストンを途中まで抜きます。そのままバルブオイルをピストンの表面に2~3滴注油します。注油後はピストンの向きに注意してケーシング内に収め、笠ネジを閉めましょう。その後ピストンを2~3回上下させ、オイルを馴染ませます。
2.演奏後のお手入れ
トランペットの中には水分や汚れが溜まります。まず、ウォーターキイから水分を抜き、スワブを使ってマウスパイプや主管抜差管の中の水分と汚れを取りましょう。 また、表面についた指紋や汚れも拭き取っておきましょう。このとき、トランペットの表面はキズが付きやすいですから、専用のクロスを使うようにします。 できればマウスピースは水洗いをするか、マウスピースクリーナーを使ってクリーニングしましょう。
3.定期的なお手入れ
主観抜差管、第2抜差管は、気密を保つためとスムーズにチューニング出来るようにグリスを塗ります。スライド内管の表面の汚れたグリスをガーゼなどで拭き取り、スライドグリスを少量塗った後、2~3回スライドさせて馴染ませましょう。 演奏中に音程をコントロールするために抜き差ししなければいけない第1抜差管と第3抜差管には、スムーズに動かせるようオイルを使ってお手入れします。チューニングスライドオイルを注油し、2~3回スライドさせて馴染ませましょう。
楽器の取り扱いに慣れてきたら自分でやりたいお手入れ
トランペットの中には少しずつ汚れが溜まっていきます。定期的に管内を洗浄して綺麗にしてあげないと、本来の響きや音程などが失われてしまいます。しかし、トランペットの構造や仕組みを充分に理解していないと、楽器が壊れてしまったり音が出なくなってしまったりしますので、慣れていない方は楽器店などに依頼して専門家に洗浄してもらいましょう。 トランペットの扱いに充分慣れてきたら、楽器店の店員さんに必要な道具や安全に作業する方法を聞いて自分で洗ってみましょう。
トランペットの保管方法
トランペットは専用のケースに入れて保管します。 ケースにはハードケースとソフトケースの2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。自分の演奏活動に合わせて選びましょう。 ハードケースは重くて持ち運びには不便ですが頑丈にできているので、中のトランペットを安全に保管、運搬することが出来ます。しかし、ケースごと倒してしまったりぶつけたりすると、トランペットが壊れてしまう恐れはあります。人がよく通る場所や、安定性のない場所には置かないようにしましょう。 ソフトケースは持ち運ぶ際にはとても便利ですが、ケースごとぶつけたり人にぶつかられてしまうとトランペットが歪んでしまう場合があります。ソフトケースで楽器を持ち歩く際には気をつけましょう。また、部室の棚の中に保管するときも他の楽器のケースに挟まれて強い圧力がかからないように気をつける必要があります。
せっかく手に入れたトランペットですから、できるだけ長く、良い状態を保ちながら使いたいものです。トランペットはお手入れ次第でより長持ちさせることが出来るので、上記を参考に、日常的なメンテナンスを行うようにしましょう。なお、お手入れについて心配な点は、楽器店などで専門のスタッフに相談するのがおすすめです。