ホルンの選び方
2018-07-11 update
ぐるぐると巻かれた細く長い管の先には大きなベル。それが後ろを向いていて、さらに中に手を入れて演奏する・・・と、他の楽器にはない特徴が多いホルン。正しくはフレンチホルンといい、その音を出す構造などから「最も演奏が難しい金管楽器」としてギネスにも認定されています。
オーケストラや吹奏楽では4パートでまとまり、作曲家のシューマンが「オーケストラの魂だ」と評した、その豊かな音色を活かしたメロディを奏で、時には荒々しく吼え、サウンドに彩りを与えます。また金管楽器ではありますが、木管五重奏のメンバーでもあります。
管楽器選びの教科書もご覧ください
ご購入のポイント
よく使用されるフレンチホルンを大きくわけると
- Fシングルホルン
- B♭シングルホルン
- F/B♭セミダブルホルン
- F/B♭フルダブルホルン
- トリプルホルン
と、たくさん種類があります。
シングルホルンは安価ではありますが、Fシングルだけでは演奏性に劣り、B♭シングルは音色の豊かさに欠けます。トリプルホルンは機能は多いのですが、高価で、重量があるため軽やかな音色が出しづらいです。セミダブルホルンは作っているメーカーが少ないです。
ということで、ほとんどの方は個人で持つ場合、FシングルとB♭シングルの良さをあわせ持つ、最もバランスのよいフルダブルホルンを使用しています。
また持ち運びがしやすいため、ベルが分解できるデタッチャブルタイプを選ぶ方が多いです。音色や吹奏感を考え、あえてワンピースベルの楽器を選ぶ方もなかにはいらっしゃいます。
手軽なものは30万円台から、高価なものは100万円をゆうに超えるものもあります。60万円前後は選択肢が多く、ひとつの目安といえます。
おすすめフルダブルホルン
お手ごろ(40万円台)
ヤマハYHR-567D
おすすめ(60~70万円台)
ヤマハYHR-671D、YHR-668ND、YHR871D、YHR-868GD、ハンスホイヤー801MAL
最上位(90万円~)
ヤマハYHR-869D、アレキサンダー103
主なメーカー
ヤマハ/ YAMAHA |
アレキサンダー/ Alexander |
ヴェンツェルマインル/ Wenzel Meinl |
ハンスホイヤー/ Hans Hoyer |
ホルトン/ Holton |
ホルンまめ知識
イエローブラス、ゴールドブラス
ホルンの素材は他の金管楽器と同じく、真ちゅうという銅と亜鉛の合金です。銅の成分が増えるにつれ、イエローブラス、ゴールドブラス、レッドブラスと呼び名が変わっていき、色も銅色が濃くなっていきます。また真ちゅうにニッケルを加えた、洋白という素材が使われることもあります。これらは音色や吹き心地にも多少の変化をもたらします。
「巻き」のあれこれ
もっとも使用者が多いフルダブルホルンですが、その形状、いわゆる「巻き」にはメーカーにより様々なこだわりがあります。そのなかでも代表的なものは「クルスペタイプ」「ガイヤー(クノッフ)タイプ」の2つです。
クルスペタイプは複雑な巻き方で抵抗感が強く、いわゆる太ベル(大きめのベル)で音色が豊かです。アメリカのメーカーに多く、マウスピースは息の入りやすいVカップ気味を合わせることが多いです。
ガイヤータイプはシンプルな巻き方でストレートに息が入り、ベルはクルスペと比べると中細サイズです。こちらはドイツ系のメーカーに多く、マウスピースはUカップ気味を合わせることが多いです。
どちらが優れているというわけではなく、演奏者との相性や求める音色などによって選ぶのがよいでしょう。
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